保釈の意義

保釈とは、保釈保証金をおさめること等を条件として、勾留の執行を停止し、被告人の身柄拘束を解放することを言います。

司法統計によれば、被告人のおよそ8割が身柄を拘束されたまま起訴されているとのことです。
もちろん、弁護人は警察官らの立ち会いなくして、被告人を面会できるため、裁判の準備や打ち合わせに、支障はありません。
しかし、被告人にとって身体拘束が長期化することは肉体的にも精神的にもきついことですし、無罪推定の原則のもとでは、裁判中は釈放されるのが本来原則であるべきです。

そもそも、起訴された時点では捜査が完了しており、証拠隠滅のおそれがある事件というのは、それほどないはずです。
また、実刑が確実というような事件でない限り逃亡の恐れもないでしょう。
そうであるにもかかわらず、勾留が継続されることが原則であるかのような現状は大きな問題と考えます。
もちろん、法律的には、勾留取消請求という手段がありますが、結審前の段階でそれが認容された例はほとんど聞きません。

そこで被告人の身体拘束を解放するための手続きとして保釈請求が重要な意義を持つということになります。

保釈請求の仕方

法律上は保釈請求は口頭でも可能と規定されていますが、実務では書面によってなされるのが通常です。
保釈を請求するには起訴後に保釈請求書を裁判所に提出します。
第1回公判前であれば、公判を担当する裁判官以外の者が保釈の是非を判断し、第1回公判後であれば、公判を担当する裁判所が判断します。

保釈が認められるためには、一般的に、身元引受人の存在が重要ですので、身元引き受け書を添付します。
また、当然のことながら保釈金が必要となりますので、予想される金額を用意しておきます。
保釈請求が認められても、保釈金を納めるまでは釈放手続きは開始されません。なお、保釈請求が認められる割合は司法統計で50%程度と出ています。

保釈の実例

一般的に、否認事件では、保釈請求をしても、罪証隠滅や逃亡の恐れがあるとして、保釈が認められません。
ただし、東京地裁では、事例によっては否認事件でも保釈が認められるように思います。
たとえば痴漢の否認事件などは証人尋問が終わるまでは保釈を認めない地域が多いですが、東京地裁では被告人が被害者に接触しないと誓約していることや前科前歴がないこと、定職があることなどに鑑み、保釈を認めたケースがあります。

また、特殊な事例ではありますが、株式会社ライブドアの前代表取締役に対する公判で、否認事件にもかかわらず、第1回公判前に保釈が認められたというケースもありました。

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